4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 焦点が絞られていて読みやすい,
レビュー対象商品: 人が学ぶということ―認知学習論からの視点 (単行本)
社会経済的地位を獲得する方法生まれたばかりの超新生児が母国語を聞き分けているという研究は有名である。
だから赤ちゃんにまったく知識がないと考えるのは誤りだ、という主張はさまざまな研究から分かっている。
しかし、もう一歩踏み込んで、赤ちゃんは何を知っていて何を知らないのか、を調べた研究は少ない。
本書はこの問いに対して認知科学的なアプローチによりひとつの答えを導き出そうとする試みである。
さらにどのように赤ちゃんが知識を獲得していくのかを示唆してくれる。
この手の話題ではピアジェの「同化」と「調節」による記号処理的な段階へと至る理論が有名であるが、本書はさらに踏み込んだ議論をしている。
著者らは「制約」とか「バイアス」という言葉で表現しているが、形状類似性バイアス、相互排他性バイ アスなどを使って素朴理論がブートストラッピンプロセスによって獲得されると説く。
さらにブートストラップのメカニズムはどうなっているのかという問いが自然に湧き上がってくるがそれは今後の研究を待つしかないのだろう。
肥満に対する高等学校体育
また、第二外国語の獲得、知識の熟達化などに触れ、英語の早期教育がどうあるべきかの提言を行っている。
さらに素朴理論に合致しない現象を説明するために、内発的な動機付けに基づく学びの中から知識の豊富化、再造化によって素朴理論を修正することで生きた知識の学習、文脈に埋め込まれた総合学習が必要であるとしている。
いわゆる「ゆとり教育」に対する意味のある提言を行っている。
非常によくまとまった良書であると思う。
レビューを評価してください
0 件のコメント:
コメントを投稿